室内会の記録
(MAKINO 第108号 P12より抜粋)
第725回 室内会 2017.1.29.

室 内 会
岡 崎 惠 視(本会会員)森 弦一(本会会員)

 本会総会と恒例の講演会が東京農大「食と農」の博物館セミナー室で開催された。総会(10:15−12:00)には会員48名、午後(13:00−16:00)の講演会には一般参加者を含めて64名の参加があった。
1)総会 まず谷本会長の挨拶の後、土屋(喜)会員の司会により、議長に岡崎会員を、書記に青羽会員を選出して議事に移った。  ①平成28年度事業報告:松田(敬)会員から、野外研究会が第708回− 724回の17回が実施されたこと、会誌104号−106号が発行されたこと、運営会議が4回開催されたことが報告された。(中略)
2)講演会 まず、長谷川義人顧問は「標本で見る日本植物」と題して、持参された多くのおしば標本を回覧しながらやや珍しい植物、認識の悪い植物、西南方にある植物などを紹介された。二番手は、日本を代表する植物画家のおひとりである石川美枝子会員で、2016年9月17日から英国キュー王立植物園で開催中の「Flora Japonica」展について報告された。
(以下略)
【写真:講演する長谷川顧問(森弦一撮影)】




野外研の記録
(MAKINO 第108号 P12より抜粋)
第727回 野外研究会(バス研) 2017.3.18.

フクジュソウ・セツブンソウ等の観察
坂 本 ア ヤ 子(本会会員)

 今回は早春に他の植物に先駆けて咲くフクジュソウとセツブンソウを主目的とする豊田武司先生ご指導の観察会でした。バスは新宿を8時、23名を乗せて出発。秩父の小鹿野町に交通渋滞もなく11時40分に到着。駐車場でバスを降りてから30分歩きフクジュソウ園地につく。ここで観察と昼食休憩。フクジュソウは垣根で囲われ保護されておりあまり近くには寄れない。時期が少し遅かったため草丈は伸びていたが開花はたくさん見られた。
 フクジュソウ(キンポウゲ科フクジュソウ属) 花は六七枚の一重咲きから二三十枚の八重がある。2月の中頃から地下の塊茎から新しい芽を数本だし三ヶ月で成長、開花、生殖、結実し、夏は休眠して冬に活動する。早春に活動を始めるのは落葉樹林の中で生きているので葉が繁らないうちに活動するためである。
(以下略)
【写真:フクジュソウ】




野外研の記録
(MAKINO 第108号 P13より抜粋)
第728回 野外研究会 2017.4.13.

遺伝研(三島)の桜
子 松 時 尚(本会会員)

 この日は快晴で桜の観察には最高と思われました。予想通りに「揖斐の二度桜」が見頃をむかえようとしていました。このとき遺伝学普及会の桜担当樹木医の梅原欣二先生が駆け付けてくださいました。
 早速、単弁の花のついた枝と重弁の花のついた枝を採集して、私達にみせて解説してくださいました。初めて二度桜をみられる方もいらっしゃいましたので、参加者一同大感激でした。このような機会を作っていただき遺伝学普及会の方々には感謝しております。
 次に千原桜(ちはらざくら)を観察。原木は熊本県熊本市島崎町の千原台にありました。樹齢三百年を超えると思われる一本の巨大なサクラであったと伝えられ、ヤマザクラ系と考えられていますが、既に枯死しています。その原木から増殖した後継樹が現在でも地元で栽培されているようです。花は半八重咲き、旗弁があり、大輪・白色。花は純白でまことに美しい桜です。
(以下略)
【写真:千原桜(堀田ルミ子撮影)】




野外研の記録
(MAKINO 第108号 P14より抜粋)
第729 回 野外研究会 2017.4.28.

田島ヶ原サクラソウの謎
磯 部 和 久(本会会員)

 「さくらそう公園前」のバス停で下車。このあたりは荒川河川敷の低湿地であるため、道路が周辺より高くなっています。そのため、目指すサクラソウ自生地を眼下に見ることができ、水気のある部分、ない部分、やや盛り上がった所、下がった所などとサクラソウやノウルシの群落との分布関係を見ることができます。今回の講師谷本会長はまずそのことを説明された。
 「特別天然記念物『田島ヶ原のサクラソウ』の分布・衰退のなぞ」。谷本講師の資料のタイトルです。それによると、関東周辺のサクラソウは山岳地では長野県、群馬県を中心に分布する傾向があり、さらに平野部を貫流する利根川、荒川の流れに乗り、中下流部とそれに沿って分布したとし、山地と平野部で隔離した分布は、平野部で居住地に近いことから栽培に関わる人為的背景があるのではないかとしております。
(以下略)
【写真:オギなどに囲まれ始めたサクラソウ(青羽美津子撮影)】

野外研の記録
(MAKINO 第108号 P15より抜粋)
第730 回 野外研究会 2017.5.7.

渡良瀬遊水地の植物(4)
高 倉 誠 之(本会会員)

 5月7日(日)東武スカイツリー線の板倉東洋大前駅に9時20分集合。参加者は13名。本日の講師は子松時尚先生。今年は3月に雪が降ったり、氷が張るなど寒い日があり植物の成長が例年より遅れていること、そして雨もあまり降ってなく長靴をはかなくても大丈夫とのお話がある。
 駅より15分ほど歩きヒレアザミ、ノヂシャなどを見て遊水地へ入る。最初に木道のあるところまで行く。チョウジソウは花をつけている。エビネ、カサスゲ、エナシヒゴクサ、コオニビシなどが見られた。スゲなどの成長が悪く、多くは貧弱である。観察できたのはアオスゲ、オニナルコスゲ、アゼスゲ、ミコシガヤなど。カナビキソウが群生しているところがある。次にタチスミレのある所に案内してもらうがやはりまだ大きくなっていないようではっきりと見つけることができなかった。しかし雨が少なく水量が少ないのが幸いして観察には最適の状態だったのがキタミソウやオオアブノメだ。
(以下略)
【写真:オオアブノメ(内田典子撮影)】

野外研の記録
(MAKINO 第108号 P15より抜粋)
第731 回 野外研究会 2017.5.14.

横沢入のスゲなど(2)
竹 上 昭(当日参加者)

 JR五日市線武蔵増戸駅から横沢入里山保全地域(七つの谷戸で構成)をめざし、イネ科イチゴツナギ連とカヤツリグサ科スゲ属を中心の研究会に総勢20名の参加者。この2つの科の植物はいわゆる花や樹木とは違い、構成する部位の名称も特別でなじみがないと難しく感じる人も多いと思いますが、本日の講師長嶋紘一先生は易しく解説して下さいました。イネ科イチゴツナギ亜科では横沢入までの道すがら、カラスムギやイヌムギ、前者は小穂の中の小花から2本の長い芒をだすこと、後者は小穂が扁平でたくさんの小花からなり芒は短いので区別はわかりやすい。ネズミムギ、比較的小さな小穂が左右に規則正しく等間隔で並んでいるので一目で判断がつく。
(以下略)
【写真:スゲ属のビロードスゲ】