野外研の記録
(MAKINO 第111号 P11より抜粋)
第742回 野外研究会 2018.2.12.

冬芽と樹皮による種の同定(武蔵国分寺公園)
北 住 拓 也(本会会員)

 西国分寺駅に10時集合。講師に谷本𠀋夫先生を、案内に田中肇先生を迎えて武蔵国分寺公園へと向かう。良く晴れてはいたが、風がまだ冷たく日蔭にはまだ雪が残っていた。
 落葉樹の春の芽ぶき前の季節、枝ぶりや樹皮や、乾燥や寒さに耐える冬芽の姿は、その樹が一年間に受けた傷や、剪定や、光や水分環境の変化など、何も言わないけれども物語っているようだ。何故そんな姿、形なんだろうか? 谷本、田中両先生が自分に問いかけているように、教わるのではなく実物を良く見て、君も考えなさいと言われている気がした。
 まずクヌギ。なかなか落葉しないブナの仲間。樹種によって離層形成期はおよそ決まっているが、日当たりによっても樹齢によっても、萌芽の勢いのある枝葉かによっても離層形成は少しずつ異なるとのこと。その樹を見てクヌギと分かったらそれでおしまいではないのだということ。…(以下略)
【写真:アカシデの冬芽(土屋喜久夫撮影)】




野外研の記録
(MAKINO 第111号 P12より抜粋)
第743回 野外研究会(バス研) 2018.3.25.

栃木県 三毳山のカタクリ
坂 本 ア ヤ 子(本会会員)

 新宿発8時出発。良い天気。24名で栃木県佐野市の三毳山(三毳山公園内)に向かう。講師は会長の谷本𠀋夫先生。三毳山南口広場で待合せ。
 本日のコース:南口広場から入園→山頂中継広場→山頂広場→関所跡→分岐点(昼食とカタクリの園見学)→野草の里→湿性植物園→フルーツパーク→東口広場でバスに乗車。
 ゆるい山道を登りながら先生の説明を聞く。三毳山は一帯が隆起した後に侵食されて固い山体が残った。たくさん岩場が確認された。そのため農地や住宅地に向かなかったので、コナラやクヌギ等の樹木を薪炭産業や落ち葉を活用したため帰化植物が生育できず在来植物が今も残ることが出来た。…(以下略)
【写真:群生するカタクリ(坂本アヤ子撮影)】




野外研の記録
(MAKINO 第111号 P12より抜粋)
第744回 野外研究会 2018.4.7.

都立野川公園の春の草花
大 石 征 夫(本会会員)

 今回の野川公園は、以前は国際基督教大学(ICU)のゴルフ場跡地で、当時は「グリーン」だったと思われる芝地での観察から始まった。這いつくばりながら小さな花の説明を講師の田中肇先生からお聞きしました。
 ムラサキサギゴケ 花柱の先が刺激で動くとの話ですが、花が小さいのと地に這うように咲くので良く観察が出来ません。先生曰く、ノウゼンカズラの花でも観察できるとのこと。  オオイヌノフグリ 花冠の中心に微毛があり、そこに蜜がある。それを確かめるために花冠を裂いて舐める実験をした。「甘い」と言った方は三四名だった。花は一日花ではなく、その命は1日から3日だったと先生ご自身の実験から分かったとの説明がありました。
 タチイヌノフグリ わずか3mmの小さな花だが、ルーペで見るとオオイヌノフグリの花に良く似ている。花冠は青いもの、ピンクのもの、白くて中心に紫色の輪があるものと変異が見られた。…(以下略)
【写真:タチイヌノフグリ(内田典子撮影)】




野外研の記録
(MAKINO 第111号 P13より抜粋)
第745 回 野外研究会 2018.4.15.

DNAから見た桜品種の見直し(新宿御苑)
細 川 剛 生(本会会員)

 12時40分新宿御苑、新宿門を入ったところのヒマラヤシーダーの下で集合。後、最近のDNA検査による桜の分析や統合の大まかな話を聞いたあと、桜を見て回る。以下、順に桜を紹介、解説を受ける。(勝木俊雄著『新宿御苑の桜/新サクラウォッチング』の本の解説を見ながら説明も受ける。)
 吉丸博志先生(前多摩森林科学園園長)から、多摩森林科学研究所の加藤珠理氏ほかが行った「核SSRマーカーを用いた日本の桜品種におけるクローン同定」という研究論文のあらましの説明。素材は多摩森林科学園1567個体、三島の国立遺伝研究所331個体、新宿御苑から88個体からとり、全部で1986個体の葉からDNAを抽出し、17座のDNAマーカーの遺伝子型を分析し、クローン識別をしたこと。多くの桜の栽培品種をDNA分析をした結果わかったことは、多数の伝統的名前を持つ桜が、実は同じ遺伝子型を持つこと。また同じ名前で呼ばれているものの中には、違った遺伝子を持つものがあること。そのため、それらを統合した名前、あるいは別の名前をつける必要があり、できるだけ古くから使われている名前をつかうことで勝木俊雄先生が検討していることなどなどである。…(以下略)
【写真:御衣黄(森弦一撮影)】

室内会の記録
(MAKINO 第111号 P15より抜粋)
第746 回 野外研究会 2018.5.6.

早野の里山
青 羽 美 津 子(本会会員)

 5月6日(日)あざみ野駅9時30分集合、バスに乗車、虹ヶ丘小学校前で降りる。磯部幹事より2012年5月6日に同じ場所で例会があり、その記録が94号に載っていることなどが話された。次いで鈴木講師より本日のコースについて説明があった。東京農大の海外研修生数名の参加もあり、50名余りの参加者で観察が始まった。
 エゴノキが多数咲く道を降りていくと堤入池がある。池の端のきわどい小道を池に落ちないよう進むと林の中の陽が差し込む奥の谷に出た。コナスビ、ナガバノスミレサイシン、アマチャヅル、ツルニガクサ、ニガクサ、オカタツナミソウ、シシウド、ナガバハエドクソウ、ウマノミツバ、アイアスカイノデ、カラスザンショウは葉の表面に油点、ジャノヒゲは葉の外縁を茎の方に触るとざらつく。チヂミザサ、ケキツネノボタン、ミドリベニシダ、ベニシダ、ミゾシダ、ヤワラシダ、ヒメワラビ、フモトシダ、リョウメンシダ。・・・
 さらに奥に入るとスギ、ヒノキの林になる。ヒイラギナンテンも多数育っている様子から近くに民家があったのではないかと想像された。…(以下略)
【写真:観察会の様子(青羽美津子撮影)】